I級(あいきゅう)
禁固刑に処された受刑者、またはそれら受刑者を収容する刑務所。

あおばれ
晴天のこと。受刑生活中でも天気が良いとさわやかな気分です。

アカ落ち(あかおち)
実刑が確定して、身分が受刑者になること。

あがり
仮釈放前の二週間は釈前教育を受ける為工場へ出なくなる。あがる当日の朝に言渡しがあり部屋も移る。満期出所は1週間前言渡し。→釈前教育

アゴ
喋ってはいけないところで、喋ること。私語。
※刑務所では、私語禁止の時間が多い。

アタリ
自慰行為。若い受刑者はあの手この手を考えてやってました(笑)

甘シャリ
甘いお菓子やぜんざいなど。

アンコとカッパ
同性愛男性受刑者の呼び名。アンコが女役、カッパが男役の呼び名。


委員面接(いいんめんせつ)
仮釈放が可能な時期になったと確認されると、更生保護委員の面接官が面接に来ます。まれに、面接の結果、仮釈放が不可になる場合があるので気を緩めてはいけない。『=本面(ほんめん)』
 
移送待ち(いそうまち)
様々な理由で、施設が変更になる時に移送されるまで待っている期間。
※移送決定⇒移送待ち(数日〜数週間)⇒移送
※当日の朝、告知され、移送待ちの状態になり、工場へ行かなくなります。

1の話しを5にして話す(いちのはなしをごにしてはなす)
話しを大きくしたり、事実を大げさに変えて話す事。変な所で見栄を張る受刑者が多いので、大抵の話しは5割以上増しなので物語を受け流した方が良い。

犬(いぬ)
刑務官に気に入られようと必要以上に媚びを売る受刑者のこと。犬のように周りを嗅ぎ回り、他の受刑者の規律違反や不正を逐一刑務官に密告する。大抵どの工場にも数名いて、最も嫌われるタイプ。

医務回診(いむかいしん)
医務課から保険助手(看守部長)が各工場を回り、体の不調を訴えた受刑者を担当台の横に並ばせ、順番に診察を行う。診察時間は一瞬で、その場でチラッと見ただけで薬が出される。その場で対応できない案件は、医師による診断になるが、緊急の場合を除き、順番待ちが多いので、医師の診断まで、数週間〜数ヶ月かかる事がある。
※私自身、刑務所入所当日に、歯科治療を申し込みましたが、4ヶ月待たされました(泣)


慰問(いもん)
芸能人や歌手、ボランティアがやってきて、コンサートや公演を見せてくれるイベント。
※黒羽刑務所では、刑務所のアイドル『Paix2(ペペ)』や地域の高校生の太鼓クラブ、幼稚園児の合唱、歌舞伎などありました。

陰部摩擦(いんぶまさつ)
自慰行為のこと。規律違反に該当するが、罰を受けたという話しは聞いた事がない。暗黙の了解事項。若い受刑者は皆、あの手この手を考える。
※エロ本を購入できるので、やらない方がおかしいでしょ?(笑)『=あたり』


唄う(うたう)
規律違反の取調べで、規律違反を一緒に実行したが名前が割れていない受刑者の名前を刑務官に脅されて自供すること。最悪の場合、唄われた受刑者に仕返しされる。

運動(うんどう)
一昔前までは、刑務所内にある運動場で、強制的に行進や基本動作の訓練、筋力トレーニングなどの運動をさせられていたが、最近では比較的自由に運動時間を過ごせるようになった。晴れの日は、運動場でソフトボールやランニング、筋トレ、新聞を読んだり、将棋ができる。雨の日だと体育館に移動し、卓球やバレーボール、筋トレ、新聞を読んだり将棋をしたり、テレビ視聴ができる。黒羽刑務所では、平日の作業時間帯の30分間。懲罰中の受刑者は、コンクリートや網で囲まれた動物園の檻のような運動場で、筋トレや日向ぼっこをして過ごす。

運動会(うんどうかい)
いい大人やオッサンが大盛り上がりする、刑務所のメインイベント的な行事。工場対抗で行われる。特別に銀シャリ弁当や菓子、ジュースなどの甘シャリも出る。どの工場が優勝するのか、予想して、賭けをする懲役もいる。
※運動会のシーズンになると、各種目の練習や、全員参加の応援合戦の練習を運動時間帯に行います。工場のメンツによって温度差があるようです。


A級(えーきゅう)
犯罪傾向の進んでいない、初犯の受刑者のこと。または、初犯受刑者を収容する刑務所のこと。収容人員の関係で、刑務所ではなく、拘置所に送られることもある。※黒羽刑務所は殆どの受刑者がA級だそうです。※参照⇒処遇指標

A食、B食、C食(えーしょく、びーしょく、しーしょく)
受刑者の食事の量は従事する作業の内容によって変わる。A食(1600キロカロリー)が立ち作業、B食(1300キロカロリー)が座り作業、C食(1200キロカロリー)が房内作業など。長180センチ以上の受刑者用に長身食がある。
例)180cmで立ち仕事の場合はA1(エーワン)、座り仕事ならB1(ビーワン)と区別する
※私の、工場で200cm近いナイジェリア人はB5食を食べていました。かなり大盛です。

F級(えふきゅう)
日本人と異なる処遇を必要とする外国人受刑者。またはそれら受刑者を収容する刑務所。
※参照⇒処遇指標
 
M級(えむきゅう)
精神障害のある受刑者。またはそれら受刑者を収容する刑務所。
※障害者ではありませんが、刑務所には頭がおかしい人が沢山います。(笑)
※参照⇒処遇指標

襟布(えりふ)
掛け布団の襟が汚れないように付ける白い布。
※ボタン式で留めるような仕組みになっています。

L級(えるきゅう)
8年以上の長期刑に服する受刑者。または、それら受刑者を収容する刑務所のこと。
※黒羽刑務所では割合は少ないです。私のいた工場には3名いました。
※参照⇒処遇指標

冤罪(えんざい)
無実の罪のこと。本当はやっていないのに逮捕されたり、証拠をデッチ挙げられたりして、裁判で有罪が決まること。無実の罪で刑務所に繋がれ、何十年も経ってようやく無実が証明された元受刑者が、日本には何人も存在する。
※私の工場にも冤罪を訴えている人がいましたが本当かどうか?


横臥(おうが)
横になって寝ること。からだを横たえること。必ず布団を敷かないといけない。
※黒羽刑務所では、平日は夕食語から仮就寝まで、休日は食事や点検を除く時間帯に可能。

小田勉・小田派閥(おだべん・おだはばつ)
軍隊式の行進を導入し、無断離籍や脇見、雑談の取り締まり等を強化した、懲役経験者の間でも今なお伝説的に語り継がれている刑務官・小田勉。その遺伝子を受け継いだ、受刑者を厳しく罰する刑務官のこと。
※黒羽刑務所では行進に関しては厳しめでした。揃っていないとグランド1周行進することもあり、運動時間が短くなってしまいます。

お茶(おちゃ)
刑務所で出る、通称「やなぎのお茶」。感情抑止・精力減退の効果があると噂されている。毎食、熱いお茶が配湯されます。共同室は約2ℓ位のポット2本分、単独室だと750ml位のポット1本分。

おやっさん・おやじ
刑務官のこと。古参囚や慣れた懲役は、刑務官のことを「おやっさん」や「オヤジ」と呼ぶ。年配の受刑者が、自身の子供や孫ほど若い刑務官を「オヤッサン」と呼ぶのを見ると、なんともいえない気持ちになる。
※この呼び方には受刑者の刑務間に対する敬意がこめられている。
※最近は、表向きは『先生』と呼び、受刑者同士では『おやじ』と呼ぶ事が多い。
 





~元受刑者の私でも作れた強い味方~




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